海外でスマホのテザリング機能を使う方法と費用【PC/タブレット/2台持ちなら】
この記事では、海外でスマホのテザリング機能を使う方法や、利用時の注意点・費用等について徹底解説していきます。
基本的に海外でも、お手もちのスマホのテザリング機能を使うことによってネット接続が可能です。しかし、国内と同じ設定のままだと海外では使えません。
ノートPCやタブレット、2台目のスマホなどをテザリングする際の設定手順詳細はもちろん、記事後半では、他の便利なネット接続方法との賢い使い分けまで丁寧にご紹介します。海外渡航の予定がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
海外でスマホのテザリング機能を使う方法
海外でスマホのテザリング機能を使う方法は、以下の2点です。
- 契約キャリアでテザリングオプションに加入する
- スマホの設定から現地で海外ローミングをオンにする
スマホの設定を国内から切り替え、機能を開放すればどなたでも海外でテザリングを使えます。
契約キャリアでテザリングオプションに加入する
テザリングオプションは、申し込みが必要なキャリアと不要なキャリアがあります。
契約キャリア | オプション加入 |
---|---|
docomo | 不要 |
au | 必要 |
SoftBank | 必要 |
楽天モバイル | 不要 |
その他格安SIM | 原則必要 |
テザリングオプションの追加料金は各社基本的に不要ですが、古いプランなど一部の料金プランでは発生する場合があります。
また、スマホは発売時期によってテザリング非対応の機種があるため、古いモデルを使用する場合は対応機種かどうか必ず確認しておきましょう。
現地で「海外ローミング」をオンにする
各キャリアのテザリングオプションに加入し、機能を開放したらスマホの設定アプリから海外ローミングの切替が可能になります。
データローミングは現地切替でOKです。
海外でテザリング機能を使うメリット
海外でテザリング機能を使う主なメリットは、以下の2点です。
- スマホをそのまま持ち込んで使える
- スマホ以外の接続機器がいらない
スマホひとつで完結するので、余計な負担を増やさず海外でのインターネット接続を実現します。
スマホをそのまま持ち込んで使える
契約プランと設定を変えておけば、普段使用しているスマホを持ち込むだけで、ノートPCやタブレット、2台目のスマホなどを海外でもネット接続できます。設定に手間取りがちな海外専用SIMや、受取・返却が必要なルーターが不要なので、スマートに海外でのインターネットを満喫できるでしょう。
スマホ以外の接続機器がいらない
スマホ以外に接続機器が不要なため、荷物がかさばらないメリットがありますす。パソコンもルーターもいらないので、お手軽にインターネット接続が可能です。
海外でテザリング機能を利用する際の3つの注意点
海外でテザリング機能を利用する際は、以下3点に注意しましょう。
- 契約プランや国と地域によっては通信料金が高額になる場合がある
- 機種によってはテザリング機能に対応していない場合がある
- バッテリーやスマホ本体への負担が大きい
基本的なテザリングの使い方は日本国内と同じですが、海外で使う際は事前に利用する国と地域や状況、プランなどをしっかり調べておく必要があります。海外で普段通りの使い方ができる保証がない、というのは、接続できなかった場合に困るビジネス利用などで特にデメリットと言えるかもしれません。
海外でのインターネット利用にあたって、特に問題になるのが通信費と設定ミスです。下記も参考に、滞在中安心してスマホやパソコンを使える方法を準備しておきましょう。
契約プランや国と地域によっては通信料金が高額になる場合がある
携帯キャリアの海外プランには、いくつか料金体系があります。1日の使用容量上限が決まっているものや、使い放題で1日あたりの料金が高く設定されているもの、使うだけ料金が上がるものなどさまざまです。
使い放題でない場合、1日で使えるパケット量は1MB~10GB以内が多く、国や地域ごとに利用料金が異なる場合も多いので渡航先が決まっていてキャリアの海外プランを利用するなら調べておきましょう。
懸念点として、海外用ポケットWi-Fiのレンタルや海外用のSIMカードに比べるとコストパフォーマンスが悪く、長時間テザリングを利用してしまうと高額請求になるリスクが高いことが挙げられます。
また、格安SIMは大手キャリアのサブブランド(ahamo、povo2.0など)を除き、海外でのデータ通信がそもそもできない場合が多いです。
海外と国内の利用料金比較
大手4キャリアのスマホを日本で使う際の(国内)プランは容量無制限であるのに対し、海外プランには容量に上限や期間の制限があります。キャリアによっては海外データローミングの申し込みが必要です。
(キャリア) | 国内プラン | 海外プラン |
docomo |
|
|
au |
|
|
SoftBank |
|
|
楽天モバイル |
|
|
au以外はプランごとに容量が決まっており、超過すると速度制限がかかります。docomoと楽天モバイルは追加データの購入が可能ですが、基本的に割高設定です。
海外プランはデータ容量が少なく、1日の利用料金が割高。仮にauの海外プランで毎日利用した場合、1ヶ月で30,000円もかかるのでコストパフォーマンスは非常に悪いといえます。
追加データを購入した場合
docomoと楽天モバイルは、データ超過後の追加データの購入が可能です。SoftBankは追加データ購入ができないため、容量を使い切ると加入プランの利用時間を過ぎるまでプランへの加入ができません。
キャリア | 利用料金 |
docomo | 1GB:1,100円/1回 |
楽天モバイル | 1GB:500円/1回※最大5GBまで |
追加データ購入は国内と同じで、購入後は自動的に追加されます。追加データは割高に設定されているため、頻繁な利用は高額請求につながりかねない要因です。docomoは30GB、楽天モバイルは2GBまで海外ローミングが無料なので、上手に使っていきましょう。
機種によってはテザリング機能に対応していない場合がある
大手キャリアで提供されている料金プランは、すべてテザリング対応です。テザリング非対応プランも存在しますが、現在は新規受付を終了しています。
テザリング機能は、スマホ自体が機能を備えていないと使えません。基本的にSIMフリースマホは、どの機種もテザリングに対応しています。
SIMフリーが義務化される2021年9月30日以前のスマホの場合、機種がテザリング非対応の可能性があるのでチェックしておきましょう。
バッテリーやスマホ本体への負担が大きい
海外の周波数は日本と異なるため、スマホの性質上国内よりもバッテリーへの負担が大きい傾向があります。
また、バッテリー内部のリチウム電池は環境の変化に敏感で、気温差によってバッテリー消耗が早くなるおそれがあります。KDDIの電池実験によれば、常温時に約5時間半維持したのに対し、0度で約4時間20分、‐20度で約2時間半という報告がされています。
そもそもテザリングはスマホ本体とバッテリーに負担がかかりやすいため、海外でのテザリングには特にご注意ください。
海外でのテザリング接続の種類
テザリングの接続方法は、無線と有線の2種類に分けられます。
(接続方法) | 特徴 |
Wi-Fi接続 | バッテリーの消耗が速い |
Bluetooth接続 | 消費電力は少ないが、通信速度は遅い |
USB接続 | 通信速度が速く安定しているが、USBポートとケーブルが必要 |
それぞれの接続方法には一長一短があるため、使い分けが必要です。
Wi-Fi接続
親機となるスマホのモバイルデータ通信を利用し、子機はアクセスポイントになる親機の電波を受信してインターネットに接続します。一般的なテザリングはWi-Fi接続のことを指し、通信速度も速く対応する接続機器が多いのが特徴。
ただし、2台以上と接続する電波の送受信と機器の探知を同時に行うため、バッテリーの消耗が速いのが欠点です。
Bluetooth接続
スマホのBluetooth機能を使い、親機と子機をペアリングしてインターネットに接続する方法です。基本的な仕組みはWi-Fi接続と同じですが、Bluetoothは消費電力が少ないのが特徴。
Wi-Fi接続に比べて通信速度が遅く、電波の届く距離が短いので、バッテリーを節約したい場合におすすめします。
USB接続
親機と子機をUSBケーブルでつなぎ、インターネットに接続する方法です。USBケーブルで物理的に接続しているので、通信速度が比較的安定して速いのが特徴。
充電しながらテザリングでき、バッテリーを気にせず長時間のインターネット接続が可能です。
給電しない場合はバッテリー消耗が激しく、USBケーブルとUSBポートがないと接続できないので注意しましょう。
海外でテザリング機能を使うためのスマホ設定
海外でのテザリング設定手順は、ほとんどOS共通です。
画面の表示名はOSと機種ごとに異なりますが、スマホ操作に慣れている方なら直感的な設定が可能です。
iPhoneの場合
|
iPhoneの場合、設定からモバイル通信→通信オプションからトグルボタンで切替可能です。
データローミングの切替は、現地に到着してから行えば自動的にインターネット接続になります。
Androidの場合
|
Androidの場合、機種によって表示名が異なります。
ネットワークとインターネット、もしくはモバイルネットワーク設定などの項目がないかを確認しましょう。
海外でテザリング機能に必要な費用
海外でテザリング機能を利用する場合、テザリングオプションと海外プランの費用が必要です。
料金はキャリアごとに異なるので、自分が利用するキャリアの海外プランをチェックしておきましょう。
テザリングオプション料金
キャリア | 月額料金 |
docomo | 無料 |
au | 無料(一部旧プランの場合は550円) |
SoftBank | 無料(一部旧プランの場合は550円) |
楽天モバイル | 無料 |
その他格安SIM | 基本的に無料 |
基本的にテザリングは、どこのキャリアでも無料で利用可能です。一部のプランは、月額料金が発生する場合があるので注意しましょう。
また、データシェアプランを契約している場合、テザリングには容量上限が設定されているケースがあります(SoftBankは50GB、auは30GBまで)。
データローミングの通信量
キャリア | 容量 | 利用料金 | プラン名 |
docomo |
|
|
「世界そのままギガ」 |
au | 24時間無制限 | 800~1,000円 | 「au海外放題」 |
SoftBank |
|
980~19,600円 | 「海外あんしん定額」 |
楽天モバイル | 2GB |
|
「Rakuten最強プラン」 |
その他格安SIM | データ通信不可 | – |
海外ローミングは、国内に比べて利用できる通信量が少ないです。通常よりも割高なので、長時間の利用や長期滞在だと高額請求にもなりがち。
海外ではできるだけデータローミングを節約し、別の方法でインターネット接続を試すのがおすすめです。
海外でテザリングやデータローミングを使わずスマホでネットに繋ぐ方法
海外ローミングはデータ容量が少なく、利用料金も割高。現地でインターネットを自由に使いたいという方には、次の3つの方法がおすすめです。
- ポケットWi-Fi(クラウドSIM)を利用する
- 海外対応のSIMを購入する
- 現地のフリーWi-Fiを利用する
海外のデータローミングは費用が高く、スマホへの負担も大きくなりがち。できるだけ費用を抑え、現地で快適なインターネットには海外用Wi-Fiの利用がおすすめです。
ポケットWi-Fiを利用する
ポケットWi-Fiはスマホのパケットを消費せず、国内で試しに接続してから持っていけるサービスもあり安心です。スマホと一緒に持ち込むだけなので、海外の手続きも必要ありません。
ゆとりはあるもののポケットWi-Fiにも容量上限があるため、無駄遣いは控えましょう。使用しないときは電源を切っておくといいでしょう。
海外対応のSIMを購入する
海外SIMは、通信事業者との契約なしでコンビニや家電量販店、ネットショップなどさまざまな場所で手軽に購入できます。Wi-Fiルーターなどの接続機器を持ち歩く必要がなく、荷物にならないのもメリット。
プリペイドSIMには利用期限が決まっているので、海外での滞在期間中に使い切る必要があります。また、長期になれば使用するプリペイドSIMが増えるので、コスパとの相談が必要です。
現地のフリーWi-Fiを利用する
観光客が多い地域では通信インフラが充実しているので、現地ではモバイルデータ通信を使用しないという方法もアリ。
ただし、フリーWi-Fiは使えない場所があり、フリーWi-Fiはセキュリティ面に不安があります。
逆にポケットWi-Fiは強固なセキュリティで安全性が高いので、フリーWi-Fiの利用よりも安心して海外でのインターネットを楽しめます。
テザリングよりも海外ではポケットWi-Fiが便利で安心!
スマホひとつでネットに繋がるテザリングは便利な機能ですが、データローミングによる通信量の増加やテザリングオプションへの加入、スマホ本体への負担などのデメリットがあります。
長期滞在になるほど通信費が高額になる可能性が高くなるので、緊急時などの場合を除いて海外でのテザリング多用は禁物です。
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海外でのテザリングに関するよくある質問
-
Q海外でのテザリング使用には追加費用がかかる?高額請求の可能性は?
Aテザリングはスマホのモバイルデータ通信量を消費するため、契約プランによっては高額請求につながるリスクがあります。海外専用プランを利用したり、ahamoのように基本プランに海外ローミングが含まれているサービスを利用するなど、渡航前に海外ローミングの使用頻度に合わせたプランを計画しましょう。
-
Q一部のキャリアでは海外のテザリングができない?
A基本的にdocomo、au、SoftBankの大手キャリアは、海外でもテザリングが可能です。ただし、一部の海外ローミング非対応の国や地域では使えない場合があります。また、格安SIMには現地でのデータ通信自体が非対応のサービスが多いので、渡航前に海外で利用可能な機能を確認しておきましょう。
-
Q iPhoneやAndroidの機種によっては海外でテザリングできないって本当?
A機種のモデルやソフトウェアが古い場合、海外の周波数帯への対応やテザリング機能を備えておらず、テザリングできないケースがあります。出国前にスマホのOSやデバイス、機種をチェックし、テザリング機能が使えるようにそれぞれをアップデートしておきましょう。
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