上海の空港は浦東と虹橋どっち?市内アクセスなどを徹底比較【目的地別の選び方も紹介】
この記事では、中国上海にある2つの空港について、市内・上海ディズニーランドへのアクセスなど目的別で、どちらが便利なのかを詳しく解説していきます。
中国で観光や出張先として人気の都市「上海」。近代的な建物やグルメなど魅力的な観光地のため、日本から渡航する方も多いでしょう。上海には2つの空港があり、日本からの直行便も出ています。そんな上海の空港を利用するなら、どちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか?
今回は上海浦東(プードン)国際空港と上海虹橋(ホンチャオ)国際空港について、市内や市外へのアクセスの利便性、日本からの路線数などを徹底比較します。また、2つの空港の便利な設備についても解説しますので、ぜひ、上海へ行く際は参考にしてください。
【どっちがいいの?】上海2大空港の違いから徹底検証
上海には、2大空港「上海浦東国際空港」と「上海虹橋国際空港」があります。どちらの空港も国際便、国内便が発着し、日本からの直行便も出ています。
上海浦東(プードン)国際空港 【空港コード:PVG】 |
上海虹橋(ホンチャオ)国際空港 【空港コード:SHA】 |
|
---|---|---|
特徴 | ・敷地面積4000ha、4本野滑走路がある大規模な空港 ・主に国際線が中心 ・東方航空、上海航空、中国国際航空のハブ空港 |
・上海市街地から近い空港 ・主に国内線が中心 ・中国東方航空、上海航空、吉祥航空、春秋航空のハブ空港 |
ターミナル | 第1・第2ターミナル サテライトラーミナル(S1・S2) 4つのターミナルを地下鉄やシャトルバスで移動 ・第1第2ターミナル間に地下鉄などの駅がある |
第1・第2ターミナル ターミナル間は離れており、地下鉄やシャトルバスで移動 ・第1ターミナルに地下鉄の駅、第2ターミナル駅に地下鉄、高速鉄道などの駅がある |
市街地からの距離 | 上海市内より東に30km | 上海市内より西に15km |
航空会社の違い | 中国東方航空などのフルサービスキャリア・LCC 48の航空会社 |
中国東方航空などのフルサービスキャリア・LCC 約27の航空会社 |
日本からのフライト | ・直行便も多数あり →羽田、成田、関西、中部、福岡、札幌、 那覇、新潟、仙台、茨木、富山、静岡、岡山、小松、高松、広島、佐賀、長崎、鹿児島 |
・直行便:羽田のみ ・乗り継ぎ:関西、中部、新千歳、福岡など |
2つの空港にはフルサービスキャリアもLCCも就航していますが、日本のLCCピーチやジェットスターは、浦東空港しか利用できません。
また、どちらの空港も上海市内へのアクセスはさまざまあり、困ることはないでしょう。
上海浦東国際空港
上海浦東国際空港は1999年にオープンし、24時間稼働する国際空港です。一部国内線もありますが、主に国際線が中心です。日本からは上海への就航はもちろん、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、オセアニアへ行く際のトランジット空港としても利用されています。
日本の航空会社 | JAL、ANA、ピーチ、ジェットスター・ジャパン |
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国際線の航空会社 | 約48の航空会社 キャセイパシフィック航空、マカオ航空、エールフランス、KLMオランダ航空、スリランカ航空、デルタ航空、大韓航空、アシアナ航空、シンガポール航空、オーストリア航空、ニュージーランド航空など |
中国の航空会社 | 13の航空会社 中国東方航空、上海航空、中国国際航空、春秋航空会社、吉祥航空、中国南方航空、海南航空、深圳航空など |
また、日本からの直行便が多く、那覇や新潟などの空港からも毎週定期便が運行しています。日本のLCC便が利用できるのも、大きな特徴と言えるでしょう。
上海虹橋国際空港
上海虹橋国際空港は1923年に開港した歴史のある空港です。浦東空港よりも規模は小さめですが、主に中国各都市を結ぶ国内線として大きな役割があります。また、上海市内から15kmと近いことや、日系企業や日本人が多く住む虹橋、古北(グーベイ)エリアに隣接しているため、出張者の利用が多い空港です。
日本の航空会社 | JAL、ANA |
---|---|
国際線の航空会社 | 日本へ就航:中国東方航空、上海航空 大韓航空、アシアナ航空、香港航空、マカオ航空など |
国内線の主な就航地 | 北京、成都、重慶、広州、天津、西安、ウルチム、ハルビン、厦門など |
日本からの直行便は羽田空港のみ。その他の国際線では、韓国の金浦空港やマカオ、台湾(松山)、香港へ就航しています。
上海の2大空港はどっちが便利?主要目的地別のおすすめ空港とアクセス
2つの空港から以下の目的地別でアクセス方法を解説します。
- 上海市内
- 上海ディズニーランド
- 上海動物園
- 市外
それぞれへは、主に地下鉄、鉄道、バス、タクシーの手段で行けます。なお、上海では交通手段の決済方法はスマート決済が主流。AlipayやWeChat Payなどのスマホ決済を準備しておきましょう。
上海市内へのアクセス
上海市内への所要時間や料金は次のとおりです。
上海浦東国際空港 | 上海虹橋国際空港 | |
---|---|---|
タクシー | 約60分/200〜300元(約4,300〜6,400円) | 約30分/80〜150元(約1,700〜3,200円) |
地下鉄 | 地下鉄2号線 南京東路:約60分/7元(約150円) |
・第1第2ターミナル/地下鉄10号線:南京東路33分/5元(約107円) ・第2ターミナル/地下鉄2号線:南京東路:30分/5元 |
上海トランスラピッド(リニアモーターカー) | 龍陽路駅:約8分/50元(約1,070円) 地下鉄へ乗り換え |
なし |
バス | 市内各地域を結ぶ路線あり 約60分/8〜30元(約170〜640円) |
3か所の乗り場から行先が異なる 約40分、2元〜(約40円) |
上海市内までのアクセスとして便利なのは、上海虹橋国際空港。市内まで30分ほどで行けます。
市内までのアクセスは、タクシーや地下鉄がおすすめ。ターミナルの到着ゲートを出ると、タクシー乗り場があります。
虹橋空港の地下鉄は各ターミナルから徒歩約10分ほどの距離。市内までの乗り換えなしで行けるので便利です。上海トランスラピッドは浦東国際空港から龍陽路(ロンヤンルー)駅までしか開通していないため、その先は地下鉄へ乗り換えて移動しましょう。
虹橋空港の路線バスは乗り場は3箇所あり、夜行や行き先によってバス停が異なります。少し複雑な上に渋滞に遭遇すると、大幅に遅延するデメリットも。
上海ディズニーランド
上海ディズニーランドは浦東新区に位置するため、上海浦東国際空港からのアクセスが便利。上海浦東国際空港から上海ディズニーランドまでは直線距離で約7kmととても近い距離です。
上海浦東国際空港 | 上海虹橋国際空港 | |
---|---|---|
タクシー (時間/料金) |
約30分/80〜100元(約1,700〜2,100円) | 約50〜60分/250〜300元(約5,300〜6,400円) |
地下鉄 (時間/料金) |
70分/8元(約170円) 2号線浦東国際空港⇒龍陽路駅⇒16号線羅山路(ルオシャンルー)駅⇒迪士尼(ディーシニー)駅 40分/55元(約1,180円) 上海トランスラピッド:浦東国際空港⇒龍陽路駅⇒16号線羅山路駅⇒迪士尼駅 |
1時間20分/7元(約150円) 2号線:虹橋第2ターミナル⇒江蘇路(ジャンスールー)駅⇒迪士尼駅 |
エアポートリンクライン (時間/料金) |
約10分/7元(約150円) 駅降車後バスで約10分 |
約30分/20元(約430円) 駅降車後バスで約10分 |
おすすめの交通手段は、タクシーかエアポートリンクライン。エアポートリンクラインは、2024年12月27日に開通した空港を結ぶ鉄道です。上海市内を経由せずに直接空港間を行き来できます。この鉄道は上海ディズニーランドから近い駅も経由するため、地下鉄よりも早く到着可能です。今までの公共交通機関よりもかなり時間が短縮できるので、ぜひ、利用してみましょう。
上海動物園
パンダで有名な上海動物園に行くなら、上海虹橋国際空港からが近くて便利です。
- 地下鉄10号線より上海動物園駅下車、徒歩1分
- 路線バス941路より上海動物園で下車、約15分で2元(約40円)
かなり広いため、1日ゆっくり見て過ごせる場所です。
市外
上海市内を離れて郊外へ行く場合は、上海虹橋国際空港からのアクセスが便利です。虹橋国際空港の第2ターミナルの側には、他の市や区へと通じる高速鉄道の駅があります。
- 上海虹橋駅:北京、南京、杭州、湖州、南通へと5本の高速鉄道が開通
上海虹橋国際空港の第1ターミナルから駅までは離れているため、第2ターミナルまで地下鉄で移動して、駅を目指しましょう。
上海の空港はどっちがいい?自分に合った決め方【4つのチェックポイント】
上海でどちらの空港を選ぶか迷ったときは、次のような選び方を参考にしましょう。
上海浦東国際空港が オススメ! |
・日本からのアクセスが第一の人 ・空港での待ち時間を楽しみたい人 |
---|---|
上海虹橋国際空港が オススメ! |
・入国審査で待ちたくない人 ・乗り継ぎをスムーズに済ませたい人 |
それそれの選び方を詳しく解説します。
日本からのアクセスが第一の人
日本からのアクセスの良さなら、直行便が多い上海浦東国際空港がおすすめです。日本からの直行便は次のような違いがあります。
- 上海浦東国際空港:19空港より毎日、毎週運行
- 上海虹橋国際空港:1空港より毎日運行
地方の空港からも直行便があるので、他の空港への乗り継ぎも必要ありません。
また、虹橋国際空港からの直行便は、ANA、JAL、中国東方航空などのフルサービスキャリア。一方、浦東国際空港であれば、ピーチなどのLCCを利用できるため、安く行きたい方にもおすすめです。
空港での待ち時間を楽しみたい人
空港の設備の充実度なら、上海浦東国際空港がおすすめです。免税店、高級ブランド、グルメ、土産ショップなど種類が豊富です。第1、第2ターミナルに加え、サテライトラーミナルにもあり、さまざまなショップがあります。
一方、虹橋国際空港は国内線が多く就航しているため、施設は少なめです。とくに、第1ターミナルの国内線はラウンジや免税店などひと通りは揃っているものの、空いているお店が目立ちます。第2ターミナルではルイヴィトンやエルメスの高級ブランドがあり、ショップも多めです。
入国審査で待ちたくない人
入国審査や手荷物検査など待ち時間が少ないのは、虹橋国際空港の国際線です。国際線は、日本、韓国、台湾、香港、マカオのみ。1日の発着便もそれほど多くありません。
一方、上海浦東国際空港は国内線や国際線とともに、1日24時間多くの便が発着しているため、常に混雑しています。混雑の原因は広くて利用者が多いことと、遅延が頻発しているため。外国人専用と中国専用レーンに分かれて、職員が対応しています。
もし、乗り継ぎ便で浦東国際空港を利用するなら、出入国の手続きや移動は4時間以上と余裕をもたせたほうが安心です。
乗り継ぎをスムーズに済ませたい人
乗り継ぎをスムーズにできるのは、上海虹橋国際空港です。上記で述べたように、あまり混雑することなく手続きが済みます。ただし、同じ空港内での乗り継ぎであれば、それほど手間はかかりませんが、空港を移動しての乗り継ぎは事前に準備しておくのが重要です。
空港移動の手段は次のとおりです。
移動手段 | 時間/料金 | 注意点 |
---|---|---|
エアポートリンクライン | 約40分/26元(約560円) | 運行時間は、6時から22時 虹橋国際空港の第1ターミナルには直接行けない、 |
シャトルバス | 60分/30元(約640円) | 本数が少ない 虹橋国際空港第1ターミナルに直接乗り入れがない バス停が離れている |
タクシー | 60分/250元(約5,380円)〜 | 渋滞すると大幅に遅延 深夜料金や高速代など割増になるケースも |
上記以外では地下鉄での移動もありますが、乗り換えがあり、時間も1時間半とかなりかかります。エアポートリンクラインか24時間対応のタクシーでの移動がおすすめです。
上海浦東国際空港と虹橋国際空港どっちが充実?施設やサービスについて
上海浦東国際空港と虹橋国際空港の設備やサービスについて、次のような違いがあります。
ラウンジの数やサービス
ラウンジの数では、上海浦東国際空港が圧倒的に多いでしょう。
上海浦東国際空港 | 上海虹橋国際空港 | |
---|---|---|
第1ターミナル | 中国東方航空ラウンジ、VIPラウンジ | 中国東方航空、上海航空、中国国際航空ラウンジ |
第2ターミナル | 中国国際航空、吉祥航空、中国東方ラウンジ | 吉祥航空、中国南方ラウンジ、VIPラウンジ |
サテライトラーミナル | 中国南方ラウンジ、VIPラウンジ | ー |
上海浦東国際空港では、東方航空系やプライオリティパスで利用できるVIPラウンジが全ターミナルに多数あります。軽食やドリンク、シャワーやリクライニングシートなど設備も充実しています。
一方、上海虹橋国際空港はラウンジ数は少ないものの、設備は浦東国際空港と変わりません。とくに、第1ターミナルのラウンジは混雑が少なく、ゆっくりくつろげる空間です。
免税店の品揃え
免税店の数や高級ブランドの品揃えで言えば、上海浦東国際空港の方が豊富でしょう。免税店もコスメ、香水、時計等さまざまなものが揃っています。ブランドでは次のような違いがあります。
- 上海浦東国際空港:スワロフスキー、COACH、D&G、Jimmy Choo、フェラガモなど
- 上海虹橋国際空港:プラダ、ルイ・ヴィトン、ディオール、Tiffany&Co.、セリーヌ、グッチ、CHANEL、エルメスなど
上海虹橋国際空港のブランド通りには、浦東国際空港にないブランドが揃っています。また、中国EVメーカーNIO(ニオ)の展示場もあり、ブランドを楽しみたい方にはおすすめです。
フリーWi-Fiや充電スポット
上海の2つの空港では全ターミナルでフリーWi-Fiが利用できます。中国の携帯番号がなければ、パスポートを使ってアクセスコードを取得しましょう。また、椅子やカウンター・テーブルなど複数のコンセントがあり、スマホの充電やパソコン作業も可能です。出張やSNSアップなどはこのようなエリアを利用すると便利です。
ただし、中国のネット使用は制限があり、GoogleやYouTube、LINEなどのサービスが利用できません。
上海に無料のWi-Fiがあっても、日本からネット手段を準備するのは必須。おすすめはパソコンやタブレットなどが同時接続できるポケットWi-Fiです。
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各種デバイスの海外での利用法については、下記から詳細記事をご覧になれます。
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※各種設定〜持ち込み方法等について、 クリックで詳細記事をご覧いただけます。
上海浦東国際空港と虹橋国際空港どっち?上海渡航の日程が決まったら
上海の2つの空港を比較し、目的別や行き先によって便利な空港を紹介しました。上海市内のアクセスには、上海浦東国際空港が便利。また、コンパクトな空港のため、入国や乗り継ぎ手続きにはあまり待たずに済みます。一方、上海ディズニーランドへのアクセスには上海浦東国際空港が便利です。
上記のようにそれぞれの特徴を活かして活用するとよいでしょう。
上海の空港を利用する際は、ネットの準備は必須。日程が決まったら、忘れないよう、ポケットWi-Fiを予約しておきましょう。おすすめは、10台も同時接続可能で、使った日だけ通信料が発生する海外WiFiレンタルショップがおすすめ。使い方次第で通信費が節約できるお得な手段です。ぜひ、ご活用ください。
上海の2つの空港の使い分け・選び方等に関するよくある質問
-
Q日本から上海へ行くならどっちの空港が便利なの?
A日本からの直行便が多い、上海浦東国際空港がおすすめです。大分や広島といった地方の空港からも定期便があり、利用しやすいでしょう。
-
Q上海市内へ行くならどっちの空港がアクセスがいい?
A上海市内から距離が近い、上海虹橋国際空港がおすすめです。タクシーなら約30分ほどで着きます。地下鉄も本数が多く、直行便が運行しています。
-
Q上海ディズニーランドに行くならどっちの空港が行きやすい?
A上海ディズニーランドに近いのは、上海浦東国際空港です。タクシーなら約30分で到着します。上海ディズニーランドから近い距離に駅がある、エアポートリンクラインも約10分ほどと便利です。
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