中国のWi-Fi事情は?空港・ホテル〜観光スポットまで【お得なネット接続方法も】
今回は、中国のインターネット・Wi-Fi事情について解説します。
海外旅行や出張に行く際に注意しなければならないのが、インターネット・Wi-Fi事情です。
中国でのネット利用は日本異なり、インターネット規制が厳しい国。そのため、日本と同じインターネットサービスやアプリが使えないと、仕事に支障が出たり、友人や家族と連絡がとりにくくなってしまうことも。
本記事では、中国の各地域やスポットのWi-Fi情報から規制のあるWebサービスを詳しく紹介します。また、規制なくインターネットを使えるお得な手段も解説するので、最後までご覧ください。
事前に中国のWi-Fi事情を心得た上で、快適な出張・旅行を満喫しましょう。
【Wi-Fi事情】中国のインターネット事情は?
中国のWi-Fi事情では、日本と同じようにはインターネットが使えません。
通信速度や使えるインターネットサービスなどに、様々な制限があります。
以下では、旅行や出張時にとくに理解しておくべき中国のインターネット・Wi-Fi事情について解説します。
インターネット通信速度が遅い傾向
中国内のみで利用する通信速度は、12~13Mbpsで、ストレスなく通信できる速度です。しかし、中国から日本へ回線を繋げると、インターネットの通信速度が遅くなります。
これは、日本と中国を結ぶ海底ケーブルが古く細いためです。そのため、日本へ繋げる場合には、約0.5Mbpsほどになってしまいます。
一般的に快適なインターネット通信を行うには、10Mbpsが必要と言われているので、中国のWi-Fi事情では日本と回線を繋げる際にはストレスに感じてしまうでしょう。
日本でネットを使用する時の感覚とは異なり、速度の遅さが明らかに気になる場合もあるはずです。
中国観光地のWi-Fi事情
中国ではインターネット人口の多い、上海や北京などの主要都市を中心に、徐々にフリーWi-Fiが整いつつあります。中国の主な観光地のWi-Fi事情については以下のとおりです。
フリーWi-Fiの有無 | ポケットWi-Fiの必要性 | |
---|---|---|
【北京】万里の長城 | 無 | 必要 |
【上海】ディズニーリゾート | 有 | 必須ではないが用意しておいた方が良い |
【西安】西安博物館 | 有 | 必須ではないが用意しておいた方が良い |
万里の長城などの自然のなかにある観光スポットではフリーWi-Fiがないので、必ずポケットWi-Fiを用意しておきましょう。
施設内の観光スポットでは、ほとんどの場合フリーWi-Fiがありますが、移動中のようなネットが使えない場所もあるため、用途に応じてポケットWi-Fiを用意しておいた方がよいでしょう。
日本では使えるサービスが使えない
中国では、厳しいインターネット規制を行っています。そのため、日本で当たり前に使っているインターネットサービスやアプリなどが使えません。
カテゴリー | 使えないサービス | 使えるサービス |
---|---|---|
メッセージ | LINE・Facebook・ Instagram・X(旧Twitter) |
携帯電話のSMS |
メール | Gmail | Yahooメール・Outlook |
検索エンジン | Google・Yahoo検索 | Bing |
動画 | YouTube・ニコニコ動画・NetflixやTverなど | ー |
クラウドストレージ | Google Drive・Dropbox | One Drive |
コミュニケーションツール | Google Meet | ZOOM・Skype・Slack ・Chatwork・Microsoft Teams |
ショッピング | Amazon Japan・Yahoo!ショッピング・楽天市場など | ー |
その他 | ChatGPT・Googleマップ | ー |
主に、連絡手段として使っているLINE、Googleマップや検索エンジンなど、便利なサービスも利用できません。
上記のサービスが使えないため、中国では代用できるアプリやWebサービスが充実しています。
- LINEの代わりにWeChat
- Google検索の代わりにBaidu
- Googleマップの代わりに百度地図
とくに、地図に関する情報は、中国では持ち出しや調査が厳しく規制されているので、中国のサービスを利用するのがおすすめです。
中国のネット検閲は厳しい
中国では、金盾(グレートファイヤーウォール)と呼ばれるシステムで、様々なWebサイトが監視・ブロックされています。
検閲の仕組みは、以下の2つ。
- ブラックリスト…閲覧させたくないドメインやIPアドレスの規制
- NGワード…特定の単語をフィルタリングしてサイト閲覧時にブロック
(天安門事件や共産党に関するワードなど)
中国で使用されるSNSやチャットツールにおいても、アカウントや投稿などが金盾によって削除されるケースがあります。
中国政府がグレートファイア・ウォールを敷く理由
中国政府がグレートファイア・ウォールを敷く理由は、政府に対して不利益な情報を規制するためと言われています。
そのため、中国の政治家に関する批判的な情報や、中国政府に不利な国際的ニュースなどだと判断されると、遮断されます。ニュースやWebサイトだけではなく、SNSのような個人の発信内容すら対象です。
中国で使える連絡ツール
中国では、LINEやTwitterなど、日本で連絡ツールとして浸透しているもののほとんどは使えません。
Googleも使えないので、必然的にGmailも使えなくなります。
中国で使える主な連絡ツールは、以下の2つです。
- Yahooメールや携帯のSMS
- WeChat(中国のLINEのようなアプリ)
次に紹介する「VPN接続」をしない場合、上記の方法で連絡をとるしかありません。
【Wi-Fi事情】中国のネット環境ではVPNが必須
中国で日本と同じようにインターネットを使うなら、VPNが必須です。
VPNとは、仮想のネットワーク空間。個別に特別な通信経路を生み出せます。
- 中国からの通信を他国からの通信のように偽装できる
- 通信内容が暗号化されるので、中身の判別ができず、ブロックできない
- 中身を盗見られないので、セキュリティ対策にもなる
このように、VPNを活用すると、ネット規制に引っかからないので、SNSなども日本と同じように使用可能です。
ポケットWi-Fiをレンタルする際にも、VPN付とVPN非対応のものがあるので、VPN付を選んでおくと便利です。
中国の主要都市のWi-Fi事情
中国の主要都市ではのWi-Fiが充実しています。
- 上海(シャンハイ)
- 北京(ペキン)
- 深圳(シンセン)
- 広州(コウシュウ)・成都(セイト)
- 台湾・香港・マカオ
上記の都市について詳しく解説します。
上海
中国の経済都市「上海」は中国一、フリーWi-Fiが整っています。
カフェなどの飲食店やショッピングモールやホテル、空港はもちろんですが、バスターミナルや駅、公園や観光スポットなどの公共の場所でも、Wi-Fiスポットが設置されています。街中でもフリーWi-Fiが使えるため、ネット接続に困ることは少ないでしょう。中国の携帯番号が不要なケースもあり、外国人観光客にとっては嬉しい限り。
公共のWi-Fiは、連続使用は2時間までと限られているケースが多いようです。
北京
北京は観光だけではなく、出張で利用する日本人も多いでしょう。北京のフリーWi-Fiは、北京オリンピックをきっかけに整えられています。
カフェやホテル、商業施設から駅や空港など公共施設でもWi-Fiが使えます。パスワード発行には、中国の携帯番号が必要なケースが多いようです。
詳しいWi-Fi事情は以下の記事で確認しましょう。
深圳
中国のシリコンバレーといわれる深圳では、仕事で訪れる日本人が多くいます。こちらも、様々な場所でフリーWi-Fiが利用できます。
フリーWi-Fiは仕事で利用するには、セキュリティの脆弱性やネット検閲の対象であることから、使わないほうがよいでしょう。また、2024年7月には中国政府の新規定により、パソコンやスマホの中身の検閲が可能になりました。深淵に限らず、中国全土での当局員による検閲ができます。
今のところ、空港などで検閲はありませんが、中国へのパソコン・スマホの持ち込みは控えたほうが安全でしょう。
広州・成都
中国第三の都市「広州」は、観光だけではなく、仕事で多くの日本人が滞在しています。公共施設や商業施設でのフリーWi-Fiが整備され、地下鉄などの公共施設も利用できます。
一方、歴史的建造物やパンダの生息地として有名な成都。街中の至る所で、フリーWi-Fiが利用できます。カフェや茶館など電子決済が利用できる場所でのフリーWi-Fiは、特に充実しています。中国のアプリやWebサービスを利用する分には困りません。
台湾
台湾は中国のようなネット規制はなく、自由に利用できます。フリーWi-Fiも充実しており、台湾政府や台北市によるフリーWi-Fiも提供されています。しかも、IDやパスワードも必要ないので、台湾でのインターネットは快適です。
香港・マカオ
香港・マカオは中国の特別行政区として、自治権が認められています。中国本土のようなネット規制や検閲がないため、自由にインターネットが使えます。どちらの都市も、フリーWi-Fiが充実しており、政府と企業によりWi-Fiが提供されているほど。登録無しで使えるので、自由に楽しめます。
中国のフリーWi-Fi事情
中国では、公共の場所でフリーWi-Fiに接続できます。
以下でフリーWi-Fiに接続できる主な場所を解説するので、旅行や出張の際に利用してみましょう。先述したようにフリーWi-Fiでは日本のインターネットサービスやアプリは使えませんが、それ以外の接続なら必要に応じて使えます。
ただし、無料とはいえ、危険性や不便さがあることは理解しておきましょう。
カフェのWi-Fi
中国のカフェやレストランの多くでは、フリーWi-Fiが提供されています。
ただし、一部店舗ではSMS認証が必要になるので、日本人旅行者には使えない場合も。認証が不要な店舗や中国の電話番号が不要な店舗なら、比較的自由に使えるでしょう。
以下は、中国でフリーWi-Fiを提供している主なカフェ・レストランです。
フリーWi-Fi情報 | |
---|---|
コスタ コーヒー | 全店舗で使用可能 |
コーヒー ビーン | 全店舗で使用可能 |
ワガス | 一部店舗で中国の電話番号が必要 |
パシフィックコーヒー | 全店舗で使用可能 |
ジャマイカ ブルー | 全店舗で使用可能 |
スターバックス | 中国の電話番号が必要 |
マクドナルド | 中国の電話番後が必要 |
空港のWi-Fi
中国の以下の空港では、フリーWi-Fiを利用できます。
- 北京首都国際空港
- 上海浦東国際空港
- 上海虹橋国際空港
- 杭州蕭山国際空港
- 福州長楽国際空港
空港のフリーWi-Fiは、以下の方法で行います。
- WeChatを使ってログイン
- Wi-Fi認証コード発行端末機(キオスク)の利用
- モバイルパスポートでWi-Fi認証を行う
- 中国の電話番号のSMS認証で登録
キオスクを利用する場合は、パスポートが必要です。キオスの画面にパスポートをスキャンさせると、IDとパスワードが発行されます。主に、中国の空港ではキオスクを使った利用が便利でしょう。
ホテルのWi-Fi
基本的にホテルであればフリーWi-Fiに接続できます。
しかし、一部のホテルではロビーや共有エリアなどが無料で、室内では有料の場合があるので、事前に確認しておきましょう。
ネット予約できる中国のホテルなら、たいてい予約サイトやホテル公式HPの施設情報にWi-Fi有無の記載があります。予約前に必ず詳細を確認しましょう。
以下に、中国でフリーWi-Fiを提供している北京・上海の主なホテルをまとめました。
中国のホテル | フリーWi-Fi情報 |
---|---|
ザ ペニンシュラ 北京 | 使用可能 |
ホテル ニッコー ニューセンチュリー 北京 | 使用可能 |
ザ ロンジモント ホテル 上海 | 使用可能 |
オークラガーデンホテル上海 | 使用可能 |
虹橋ジンジャン ホテル | 使用可能 |
ル ロイヤル メリディアン 上海 | 使用可能 |
地下鉄のWi-Fi
上海の地下鉄では、無料Wi-Fiが提供されています。
しかし、中国国内のカフェ同様、地下鉄の無料Wi-Fi利用にも中国の電話番号が必要になるため、日本人の利用ができないケースが多いです。
中国のフリーWi-Fiは、利用しづらい環境にあることを理解しておきましょう。
次にご紹介する方法なら、安全で便利なWi-Fi環境を目指せます。
【Wi-Fi事情】中国でインターネットを利用するおすすめの方法
お伝えしたように、中国への旅行や出張で快適にインターネットを使うにはフリーWi-Fiだけではカバーしきれません。
ここからは、中国でインターネットをストレスなく使える3つのおすすめの方法について紹介します。
主な方法は、以下の3つです。
- VPN付きWi-Fiルーターを日本でレンタル
- 現地SIMカードを購入
- キャリアのパケット定額を利用
とくにおすすめの方法は、VPN付のWi-Fiルーターレンタルです。
下の記事では、中国でおすすめのポケットWi-Fiレンタルサービスを比較・解説しているので、ぜひ参考にしてください。
VPN付きWi-Fiルーターを日本でレンタル
日本と同じようにインターネットを使うなら、VPN付きWi-Fiルーターを日本でレンタルしましょう。
ルーターに接続するだけで、LINEやTwitterなどの中国では規制されているSNSも利用できます。
ただし、提供されているすべてにVPNがついているわけではないので、レンタルする際にはVPN付かどうかを必ず確認してください。
持ち運びもできるので、万里の長城などの屋外でも使えます。
現地SIMカードを購入
現地のSIMカードを購入しておけば、SMS認証が必要なフリーWi-Fiも使えるようになります。
インターネットでも購入できるので、旅行や出張前に用意しておくのも良いでしょう。
ただし、SIMカードの場合、インターネット規制によって日本と同じサービスが使えない可能性があるので注意してください。
キャリアのパケット定額を利用
日本で契約している携帯電話を現地でローミングすれば、日本と同じアプリやサービスを使えます。
例として、ソフトバンクでは以下のようなサービスを提供しています。
- 海外あんしん定額
- 海外パケットし放題
日常で使っている携帯電話をそのまま使えるので、便利な方法です。
以下に、各携帯会社の海外ローミング料金(1日使い放題)をまとめました。
料金 | プラン | |
---|---|---|
au | 1日使い放題最大2,980円 | 海外ダブル定額 >>au海外プラン詳細 |
ドコモ | 1日使い放題最大2,980円 | 海外パケ・ホーダイ >>ドコモ海外プラン詳細 |
ソフトバンク | 1日使い放題最大2,980円 | 海外パケットし放題 >>ソフトバンク海外プラン詳細 |
楽天モバイル | 2GBまでは無料 (以後1GBのリチャージに500円) |
海外ローミング >> 楽天モバイル海外プラン詳細 |
短期間であれば、海外ローミングサービスを使う方法もあります。ただ、料金は割高です。
1日当たりの料金が決まっているため、必然的に出張・旅行期間が長くなるほど想像以上に料金がかさんでしまいます。
料金を抑えるなら、断然ポケットWi-Fiの利用がお得です。
中国のインターネット規制によらず使えるポケットWi-Fiのレンタルなら
中国でインターネットを使うなら、VPN付きのWi-Fiが必須といってもいいでしょう。VPN付のWi-Fiでなければ日本と同じサービスが使えないので、仕事の連絡などが滞ってしまう可能性もあります。
「海外WiFiレンタルショップ」では、中国でも使えるWi-Fiを提供しておりますので、Wi-Fi選びに悩んだ際にはぜひご利用ください。
中国なら1GB600円/日から。電源オフの日は通信費が0円なので、費用負担も抑えられます。
不安が付き物の海外渡航だからこそ、快適な通信環境を用意していくのがおすすめ。渡航期間を入れるだけで、中国渡航時のWi-Fi費用を簡単シミュレーションできます。通信費を抑えたい方は、ぜひお役立てください。
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中国のWi-Fi事情に関するQ&A
-
Q中国でネットを使うのにフリーWi-Fiよりも安全な方法は?
A安全性を求めるなら、ポケットWi-Fiがおすすめです。ポケットWi-Fiは、個別に設定されたネットワークとパスワードで通信が保護されています。
-
Q中国でおすすめのポケットWi-Fiは?
A中国では検閲がとても厳しいため、特にポケットWi-Fiが大活躍します。快適性・料金から見たおすすめポケットWi-Fiから選びましょう。
-
Q中国で役立つデバイス関連・持ち物は?
A中国には他の国と比べて特別な決まりも多く、出張・旅行の渡航時にはなにかと準備が大変です。渡航前に情報を確認しておきましょう。
-
Q各社ポケットWi-Fiのプランで見られる「中国プレミアムプラン」や「中国特別回線」は、何か特別に優れているの?
AポケットWi-Fiサービスが提供する「中国プレミアムプラン」や「中国特別回線」は、中国のネット規制を受けずに、インターネットが使えるサービスのことです。ポケットWi-Fiサービスで中国対象なら、基本的にはネットの規制なしに使えるのがほとんど。料金が安くなったり、特別なサービスが付与されたりするわけではありません。
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